「蘭さんがいなくなったのは、私のせいなの。私が蘭さんから、工藤君を奪ってしまったのよ」 思い切った一言だった。 「やっぱりね、志保さんは新一君が好きなんだ、蘭から好きな人を奪うなんて酷い仕 … むしろ新一のこと忘れて幸せな家庭を築く蘭のもとに 元の姿になった新一がもどってきて揺れる女心の方が昼ドラっぽくてよくない? 159: 2018/07/20(金) 08:00:49.44 ID:1QmjQ7jCr 新一の怒っている声に蘭はちょっとひるむ。 拗ねたように日ごろよりも低い声で話す新一が珍しくもあった。 「オメーなぁ!人の話ちゃんと聞いてるか?」 呆れたような瞳で蘭を覗き込む新一のしぐさに蘭の心臓が跳ね上がる。 「え・・・。

新一の 目蓋が開いている。こっちを見つめている。 「新一! 蘭の言葉に、新一は不思議そうに蘭を見た。 「その日ってね、お父さんとお母さんの結婚記念日なの。 だから、結婚記念日ぐらいのんびりしてほしいじゃない? 蘭は、息を切らせながらも、力を使い果たした手をそっと新一に向けて伸ばした。 産声が、絶望的だった病室に、どこか僅かな安心感をもたらせていた。

?」 「蘭…」 「あぅう…」 蘭は新一が絶対安静なのを忘れすがり付く。 「う…」 「あ、ごめんなさい!」 急いで新一から離れる。 「いいさ、このくらい…」 新一は暫く自分の身体の状態を感じる。

『新一君?蘭そこにいるの?』 園子は小五郎からの電話で新一の元に蘭がいるものだと思っていたらしく、声にはそれ程焦った様子がない。 「…いねーよ…今探しに行くところだ。」 電話の向こうで園子が息を飲む様子が判った。 そう言って蘭の腕を引っ張って中に入る。 こどもの日ってこともあり、産婦人科は赤ん坊とその親でごった返していた。 蘭が受付を済ませると、新一のいるベンチに戻って、他愛ない会話をしていた。 2時間後 「工藤さん、工藤蘭さん」